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春の訪れを告げる梅は、心の支え|徒然花

駿河 慧

コラム・徒然花、今回のテーマは「春の訪れ」です。2月頃になると咲き始める梅。社会人になる前、そして今も支えてくれる大事なパートナーです。

私の心を支えてくれる梅の木

2月 梅
私の通勤経路には、小高い丘の上に1本の梅の木があります。私の目線より少し高い位置にあるそれは、2月頃になると蕾が花開き、白い花を咲かせます。毎年、私はその瞬間を待ちわびているのですが、それにはひとつの理由があるのです。

さかのぼること、私が今の家に引っ越してきた頃。就職に伴った引っ越しで、私は初めての1人暮らしに大きな不安を抱えていました。

引っ越したばかりの時は、大学生であったため、学生気分は多少残っているものの、4月から社会人になる事実が、私の肩に重くのしかかり、毎日が憂鬱へと変わっていきます。

そんな私を救ってくれたのが、1本の梅の木です。

初めて出会ったのは、1月頃でした。まだ蕾が固く閉じられていたため、何の木であるかよく分かりませんでしたが、2月に入りひとつの蕾がほころび、徐々に白い花びらが見え始め、梅の木だと知りました。

日が経つにつれて、まるで“私の新生活を祝福する”かのように少しずつ花が増えていく梅の木。いつからから私にとって、その祝福は心の支えとなっていき、やがてそれを眺めるのが日課となったのです。

今となっては何て都合のいい解釈だと思いますが、当時はそれくらい思いつめていたのです。

人生のパートナー

新生活 心の支え
新人時代を終え、社会人2年目となった時。変わらず梅の木は私にとって心の支えでした。毎朝、木の前を通れば、仕事前の私に元気を与えてくれる。花が咲くのを心待ちにし、毎年の楽しみとなっています。

梅は、春の訪れを知らせてくれる存在ですが、私にとっては、いつも背中を押してくれる存在です。いろいろな不安が募る新生活。だからこそ梅の木のような、ずっと変わらずに傍にいてくれる存在がとても大切なのです。

梅が散るのは4月に入った頃。丁度、新生活がスタートする時期です。後押ししてくれる何かがあるだけで気持ちは大きく変わっていきます。植物の開花は生きる躍動が伝わってくる魅力があり、人生のパートナーとしてぴったりな存在なのかもしれません。

(文・駿河慧)

ライタープロフィール

水族館は好きだが、生臭いのだけは耐えられない。