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コラム 体育祭

ハチマキと女子力

駿河 慧

駿河 慧

年頃の女子の頭の中にある“恋”と“オシャレ”。この2つが合体した時の女子は、目に見えて輝きます。

地域によって体育祭の開催時期は違いますが、体育の日がある10月は代表的な時期のひとつ。学生生活における一大イベントのひとつの体育祭は、恋愛イベントとしても思い出に残りやすいです。男子にとっては、自分をかっこよく見せる場として、いつも以上に張り切る人もいることでしょう。

女子の見せ場は競技ではなく「髪型」。

体育祭では、チーム分けを分かりやすくするために、ハチマキを採用しているところが多いです。色とりどりのハチマキを、いかにアレンジをするかは、女子にとって“勝負”の鍵となります。容姿がよければ、ただ巻くだけでも可愛くみえるもの。しかし、この時ばかりは、負けじと女子たちはハチマキを自分流にアレンジして、いつもとは違う自分をアピールします。

10代の女子力パワー

コラム 体育祭

ヘアバンドのように前髪の上で結んだり、リボンのように凝った結び方をしたり、中には猫耳を作って頭に巻く人もいます。アレンジ方法は千差万別であり、そのこだわりには並ならぬ“女子”としての執念を感じます。

アレンジの理由は好きなの人のためだけでなく「可愛くありたい」「ダサいの嫌だ」という気持ちがあるのかもしれません。リボンや猫耳が許される10代だからこそ、全力で自分を着飾る。「可愛いから」という理由だけで、何の変哲もない1本の紐をアレンジしてしまう力には、女子力の恐ろしいところが垣間見える気がします。

同じ10代でもテンションは真逆

しかし、このアレンジは器用な人間だからこそ思いつく発想。不器用な人間はアレンジの「ア」すら思い浮かびません。

私もまた、その不器用な人間の1人。ハチマキは、ただ目印のためだけに付けるためものであり、それ以上でもそれ以下でもありませんでした。1本の紐に目印以外の意味をもたそうとすら考えていませんでした。 私と同じ考えなのか、恥ずかしさからやらないだけなのかは分かりませんが、クラスには自分と同じようにスタンダードな巻き方をする女子が何人かいました。

目立つものこそないものの、その本来なら“普通”な姿は、オシャレに全力をそそぐ女子と一緒に体育祭らしい光景を飾ります。

 “普通”を「ダサい」とも思わず、“普通”にハチマキを巻いて参加する。

そんな女子たちは個性豊かなハチマキをする女子たちと混ざっても、違和感なく溶け込んでいます。彼女たちもまた体育祭と風物詩といえます。

過去への悔やみ

私もハチマキへのこだわりなんて、これっぽっちもなかった1人。しかし、今にして思えば惜しいことをしたなと少し思います。花の10代というものは過ぎ去ってから、初めてその価値が分かります。

今さら20歳を過ぎた人間がハチマキでリボンや猫耳を作って頭につけていても、痛いだけでネタにしかなりません。何をやっても許される子供だからこそ、その時にやっておけばひとつの思い出になったでしょう。ふざけた写真も絶対に黒歴史のなるだろうと考えていましたが、黒歴史だって時が経つと立派な思い出に思える日がきます。

ハチマキひとつで人生は変わらないかもしれません。しかし、無謀なことができる10代に、不器用ながらもハチマキのアレンジに挑戦した経験をもっていたら、その後の女子力に影響があったかもしれません。

(文・駿河 慧)

 

ライタープロフィール

水族館は好きだが、生臭いのだけは耐えられない。