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クリスマス 冬 イルミネーション

イルミネーションが苦手な女もいる|徒然花

駿河 慧

クリスマスが近づいてきた今、私の頭を悩ませるのが毎年女友達から誘われるイルミネーションです。なぜなら、私はイルミネーションが苦手。できれば参加したくありません。しかし、私の周りには苦手派がいません。そこで、今回は苦手派の主張をしたいと思います。

イルミネーションがきれいなのは間違いない

クリスマス 冬 イルミネーション
毎年趣向を変えて来場者を喜ばせるイルミネーション。足を運ぶのが恒例の人も多いことでしょう。何色もの光を放つイルミネーションは確かに綺麗で、思わずスマホを構えて写真を撮りたくなってしまいます。

イルミネーションが好きな人と同じ感想を抱けるのに、なぜ苦手なのか?

その理由は、「綺麗」と思っても一瞬のうちに感動が消えてしまうからです。私の場合、その感動は乾いた土に吸収される水に似ています。すさまじい速さで薄れ、あっという間に消えてしまいます。同時に、驚きで見開いていた目も徐々に真顔に戻っていくのです。

私のイルミネーションに対する感動は、0.1秒しかもたないといっても過言ではありません。感動が消えた後には、イルミネーションに使われている電気を、どうにか自分の家に引っ張ってこれないだろうかなんて考えはじめる始末。

子供の頃には友達に付き合って一緒に行っていましたが、友達が何十分も眺めては、写真を何枚も撮るのに対し、私は早々に壁の花となって夜空を見上げ、早くこの輝きの中から抜け出したいと思っていました。やがて私は、誘われてもイルミネーションには行かなくなりました。

相手の好きなものが共感できない辛さ

イルミネーション 苦手
女友達からはここ2年連続、イルミネーションに誘われています。何かと理由を付けて断ってはいるものの、3年目ともなると断る理由を見つけるのが難しくなってきます。察してくれればいいのですが、彼女はやや鈍感なため、望み薄です。

はっきりと断れないのは、友達が点灯前からイルミネーションを楽しみにするほど大好きだからです。私の苦手意識はせっかくの良い気分に水を差す可能性があります。そのため、口に出すのはとても難しいのです。

しかし、いつまでも嘘を言い続けるのは限界です。

そこで、私は意を決して、友達に告白することに決めました。LINEで一言言って終わらせることもできましたが、それでは誠意が伝わりにくいかと思い、直接言うことに。

場所は、不定期に行われる居酒屋での飲み会。だけれどお酒の力は借りるのもよくないと、飲む前に直接本人に、勇気を出して「イルミネーションが苦手だ」と告げました。

ところが、彼女は意外なことに、「あ、そうだったの。早く言ってくれたら良かったのにー」と笑いながら言ったのでした。

あっさりと終わった私の告白。拍子抜けしたものの、苦手なものを苦手なままでいいことに肩の荷がおりた気分でした。同時に苦手なら強要しない、という友達の言葉に申し訳ない気持ちになったのです。

毎年誘ってくれてる彼女は、大好きなイルミネーションの感動を私と共有したいと思ってくれていたんだと思います。けれども、彼女は私の気持ちを優先してくれました。正直に言ったことで、お互いぶつかることなく円満に解決できた今回のできごと。たとえマイナスなことでも、自分の気持ちを伝えることは時には必要なのかもしれません。

友達の優しさのお陰で今年の冬は、去年よりもゆっくりとした時間が過ごせそうです。

(文・駿河慧)

ライタープロフィール

水族館は好きだが、生臭いのだけは耐えられない。